ElevenLabs が Eleven v4 を公開、前のモデル更新から6日
ElevenLabs は2026年9月28日、音声合成モデル Eleven v4 と、応答の速い v4 Turbo を公開した。Turbo は最初の音声が出るまで約150ミリ秒。両モデルは90以上の言語に対応する。前の更新から6日後だ。
TRAIL の年表(重要度2以上)から作成。2026.09.28 まで。
- ElevenLabs が2026年9月28日、音声合成モデル「Eleven v4」と、応答の速い「Eleven v4 Turbo」を公開した。
- 文章を読み上げる音声を仕事で使う人と、音声で応答するAIを作る人に関係する。
- 両モデルは ElevenAgents、ElevenCreative、ElevenAPI ですでに使える。
何が発表されたか
ElevenLabs は2026年9月28日、音声合成モデル(文章を人の声のような音声に変えるAI)の新版を2つ公開した。ElevenLabs の発表によると、Eleven v4 は新しい設計で作り直したモデルで、同社は自社の音声合成モデルの中で最も感情表現が豊かだとしている。声の調子、話す速さ、感情、文脈を読み取り、話者らしさを保ったまま声を出し分けるという。
Eleven v4 Turbo は、同じ技術を、音声で応答するAIエージェントのような待ち時間の短さが必要な用途に向けたモデルだ。発表は Turbo について2つの数字を挙げている。モデルが処理にかける時間(推論の遅延)は中央値で約100ミリ秒。依頼を送ってから最初の音声が聞こえるまでの時間は中央値で約150ミリ秒。後者は2026年9月に測った値として示され、比べたほかのモデルは262〜814ミリ秒だったという。標準の Eleven v4 の速さを示す数字は、発表にない。
両モデルは90以上の言語に対応する。ある言語で録音した声が、ほかの言語も話せるようになった。そのとき声の持ち主らしさは保たれ、発音はその言語を母語とする人のものになると発表は説明している。
声の複製にも変更がある。Instant Voice Clone(短い録音から声を複製する機能)は、10秒の音声で作れるようになった。より忠実な複製を作る Professional Voice Clone も、Eleven v4 で使える。
文中に [laughs] のようなタグを書いて読み方を指定できる。複数の話者がいる会話も、別々に読んだ台詞をつないだものより自然になったとしている。
品質の評価も、すべて ElevenLabs の発表による数字だ。聞き手が製品名を知らされずに2つの音声を聞き比べる試験で、約75%が Eleven v4 を選んだ。比べた相手は Cartesia Sonic 3.6、Inworld TTS-2、Google の Gemini 3.8 Flash TTS など4つのモデルで、図の説明は Eleven v4 が選ばれた割合を65%〜81%としている。Artificial Analysis の順位表(Provider Voice Arena Leaderboard)でも、2026年9月時点で1位だったとしている。
年表で見ると
TRAIL の年表は、Eleven v4 と v4 Turbo の公開を節目(重要度3)に数えている。1つ前の節目は2026年2月4日のシリーズDでの5億ドル調達で、そこから236日が過ぎた。モデルの節目に限ると、1つ前は2025年6月3日の Eleven v3(アルファ版)になる。Eleven v3 は2026年2月2日に正式版になっている。
モデルの更新だけを並べると、間隔はずっと短い。直前の更新は2026年9月22日の Scribe v2 Medical で、Eleven v4 はその6日後に出た。その前は9月11日の Music v2.5 で、Scribe v2 Medical との間は11日だった。一方、Music v2.5 とその前の Dubbing v2(2026年5月28日)の間は106日空いている。年表にある直近12件のモデル更新(11区間)では、間隔の中央値は63日、最小は2日、最大は113日だ。
出来事の数も9月に集まっている。直近12か月で最も多いのは2026年9月の6件で、7月と8月は0件だった。9月には、Universal Music Group との複数年契約と、評価額が220億ドルになった株式売却があった。
TRAIL の年表では、2026年9月のモデル更新は3件あり、前の更新との間隔は11日と6日だった。どちらも中央値の63日より短い。106日空いたあと、音楽、文字起こし、音声合成のモデルが同じ月に続けて更新されたことになる。
同じカテゴリで比べると
TRAIL の音声カテゴリの比較表には、ElevenLabs のほかに Suno が入っている。Suno は2026年9月9日に v6 を公開し、10月1日には Speech(ベータ)を公開した。
料金は2026年10月10日に確認した。どちらも米ドル建てだ。2つだけを並べた ElevenLabs と Suno の比較もある。
| ツール | 直近のモデル更新 | 月額プラン |
|---|---|---|
| ElevenLabs | 2026年9月28日 Eleven v4 と v4 Turbo | Free $0、Starter $6、Creator $22、Pro $99、Scale $299、Business $990、Enterprise は要問い合わせ |
| Suno | 2026年9月9日 v6 | Free $0、Pro $8、Premier $24 |
誰が、いくらで使えるか
発表によると、両モデルは ElevenAgents、ElevenCreative、ElevenAPI ですでに使える。
料金についての記述は1つだけある。「Creator+」では10月12日まで、クレジット(ElevenLabs で利用量を数える単位)が3倍付くという案内だ。Eleven v4 と v4 Turbo がクレジットをどれだけ使うかは、発表に書かれていない。
発表は、対応する90以上の言語の一覧を載せていない。日本語が含まれるかどうかも、発表の本文からは確かめられない。ElevenLabs は2025年4月14日に日本法人 ElevenLabs G.K. を設立している。
まだ分からないこと
- Eleven v4 と v4 Turbo のクレジット消費量と、API で指定するモデルの名前。
- 「Creator+」が指すプランの範囲と、3倍になるクレジットの条件。
- 標準の Eleven v4 の応答の速さ。
- 聞き比べの試験に参加した人数。
- Eleven v3 など、これまでのモデルの今後の扱い。
- 90以上の言語の内訳と、日本語での品質。
発表のページは2026年10月5日に更新されているが、何を変えたかは書かれていない。